デカメロン伝説
ー日陰の伝説に太陽をー
第4段 虹色のトロツキー
安彦良和
全八巻。戦時中の激動の時代を日本の植民地であった旧満州で関東軍に入った、日本人と(内)蒙古人のハーフ、ウムボルトが
様々な差別、葛藤を感じながらどのように生き抜いたかと言う話。この漫画をなぜ紹介するか?確かにおもしろい。しかし、
小生は読解力が著しく低いので内容の半分くらいしか理解できていない。ただ、この漫画は普段、読んでも堅苦しく、眠くなるものであったが、
卒論作成時の時には読んでも関係あるからサボりではないという逃げ道として、読んでいた作品である。主人公の幼い時に見たかすかな記憶に
のこるトロツキー(共産主義を唱えたユダヤ人・ロシアの赤軍を作った)の姿、その記憶を思い出していくにつれて話は進み、
ノモンハン事件へと導いていく。戦時中の日本とモンゴルの関係がわかるので卒論作成時に読んだのは100%サボりの逃げ道とは言い切れない
つながりは存在していた。
第3弾 チキン
村上真裕
ヤングマガジンで連載されていた。これも1巻と書いてあるものの、連載もされておらず宙に浮いている作品である。
世界チャンピオンを目指す従来のボクシング漫画と違い、すでに世界チャンピオンという設定で始まる。主人公は0-KOチャンピオンと
呼ばれていて、いままで全て判定で試合を制している。KOできないので、当然、そんなチャンピオンに風当たりはきつい。
人気が無いので試合はいつもアウェー。積極的に攻めないのでブーイングの嵐。しかし、そんな彼のファイトスタイルには理由が…
彼の過去には何があったのか?なぜ臆病者とまで呼ばれてもリングに立ちつづけるのか?『がんばれ元気』の関拳児や『KATSU』の
ラビット坂口の精神にも通ずる、ボクシング漫画の視点を変えた革命的な漫画。
次の布石もキレイにまいているだけに、是非とも連載再開してほしい。
第2弾 闇金ウシジマくん
真鍋昌平
ビッグコミックスピリッツの連載作品。定期読者ではないので詳しくはわからないが、今は連載していないと思う。
一巻と銘打っている以上、続刊が期待される。まぁ名前のとおり恐ろしいタイトルだ。
ストーリーはタイトルどおり闇金のウシジマくんが、ダメ人間相手に容赦なく金を巻き上げて、
不幸にしていく話である。全部が全部面白いわけではないが、見得張りOLをどん底まで追い詰める話には
カタルシスを感じてしまう。そして、何よりシンクロしてしまうのがバイト君の話である。スピリッツで読んだときに
友達にこれはまるでオレやとメールを送ったのを覚えている。所詮フィクションなんで怖くは無いが、
もし、わが身に降りかかったら死しか道はないなと思えるほど、霊やお化けよりヒトが怖いと思う作品である。
第1弾 鉄火の巻平
劇画・たがわ之 原作・大林悠一郎
最強のJUNK紙、GONから知ったマンガ。かくいう自分も全8巻中、第4巻が欠けているのだが・・・
寿司職人を目指し、父・栄蔵の遺言に従い、おんぼろ寿司屋「興兵衛寿司」の興兵衛の弟子に・・・
しかし、興兵衛と栄蔵、そして興兵衛寿司のライバル人気店「蛇の目傘寿司」の親方岡田兵庫
の3人には巻平の知らない因縁が・・・・・・
まぁ話なんてどうでもいいねん。何がすごいって、「シャリの握り方のコツは女の乳房を揉め」と親父のノートに書いてあり、
ものすごい真面目に芸者の乳をもみ、興兵衛の娘にいたっては自分から乳を差し出す。そして巻平はコツをつかむ。
この漫画を読んだあとには、おそらく「丘寿司職人」が増えるであろう。
寿司の握り方のリズムに「能」「太極拳」「茶法」をとりいれたり、
それがすべて真剣になされる。この作者は他にも『包丁無宿』という熱い漫画も描いている。